握力王もおすすめ! 握力を強化するためのブロックウェイト

握力には3種類あります。

・クラッシュ力(握りつぶす力)
・ピンチ力(指先で掴む力)
・ホールド力(握ったまま離さない力)

この中でピンチ力(指先で掴む力)が実は最も日常生活で使う力です。
狭い幅の物を握りこむ動作より、指先で掴む、あるいはつまむことが多いです。
握力トレーニングの目的がマニアックなグリッパーを閉じることを目的としてない限りピンチ力を鍛えるのがいいです。
一般人には最もお勧めの握力トレーニングと言えます。

知る人ぞ知る世界の握力王である「ジョンブルックフィールド」も握力を鍛えるには親指の強化は必要不可欠と言っています。
親指の強化、つまりピンチ力の強化です。

そしてこのピンチ力を鍛えるために世界の握力王であるジョンもおすすめしているのが「ブロックウェイト」です。

パッと見ただのデカい鉄の塊ですね~
使い方はいったってシンプルで上から掴んで持ち上げるだけです。

滑り止めのチョーク(炭酸マグネシウム)は必ず使用して下さい。
チョーク無いと滑って上がりません。

この画像のブロックウェイトは50ポンドの重さ、つまり約22.6㎏ですね。
22.6㎏と聞くと筋トレを日常的に頑張っている人からすると大した重さに思えないと思います。
(一般人から見たら重いですが)

ですが実際にやってもらえれば分かると思いますが難易度はかなり高いです。

例えば握力が100㎏を超えていたとしても50ポンドのブロックウェイトは全く持ち上げられなかったりします。
この50ポンドのブロックウェイトは国内で持ち上げられる人は現在11人程度です。
そのくらい難易度が高いということになります。

ちなみに日本国内で購入可能なブロックウェイトのラインナップは以下の通りです。

30.0ポンド(KWN30) 重量13.6㎏ →初心者用
35.0ポンド(KWN35) 重量15.9㎏ →一般人としては強い
40.0ポンド(KWN40) 重量18.1㎏ →強い
45.0ポンド(KWN45) 重量20.4㎏ →めっちゃ強い
50.0ポンド(KWN50) 重量22.7㎏ →認定対象、高難度
55.0ポンド(KWN55) 重量24.9㎏ →認定対象、変態
60.0ポンド(KWN60) 重量27.2kg →認定対象、ド変態

伊藤玄鋳工所という鋳物メーカーが作っているブロックウェイトです。
握力マニアの間では通称KWNと呼ばれています。
昔はJGRという別の握力マニアが販売していたペンキを塗っているモデルもありましたが、今はこのKWNが主流です。

これから握力強化のためにブロックウェイトを持ち上げてみたいという方は、先ずは一番かるい重量である30ポンドから試してみましょう。
30ポンドであればほとんどの人が持ち上がりますが、それでも普段ピンチ力トレーニングを行っていない人であれば手に強烈な刺激が得られます。

いろいろな人にブロックウェイトを使わせてみた印象は40ポンドが上がるとかなり強い部類に入ります。
そして45ポンドが上がるとめちゃくちゃ強いです。
45ポンドを達成出来れば「私はピンチ力が強いです」と胸を張って言えるレベルかと思います。

強さを求める人にとっては認定対象である50ポンドや更にその上を持ち上げるのが理想ですが、とりあえず40ポンド、あるいは45ポンドを目標にしてみて下さい。
(50ポンド以上は人を選びます…)

このブロックウェイトの使い方は先ほども書いた通り上から掴んで持ち上げるだけです。
しつこいですが滑り止めのチョーク(炭酸マグネシウム)は必ず使用して下さい。

チョークを使いながらブロックウェイトのトレーニングを行っているとチョークの使い方も上手くなってきます。
やったことある人なら分かると思いますが、滑り止めとはいえチョークは付けすぎれば逆に滑りますし、付けなさすぎても勿論ダメです。
丁度いいチョークの付け具合が必要になります。

この「チョークのつけ具合」が分かれば他の競技
例えばパワーリフティングにおけるデッドリフトの時のチョークの付け方にも応用出来ます。
正しくチョークを付ければデッドリフト時のグリップアウトを防ぐことに繋がります。
握力が弱くてデッドリフトでグリップアウトしてしまうという人の大半は「チョークのつけ具合」を調整すれば解決出来ると個人的には思っています。

デッドリフトでの握力は一見ホールド力のように思えますが、ホールドしている時間が短時間ですし、デッドのグリップには強い親指が必要ということでどちらかというとピンチ力寄りなのではないかと個人的には思っています。
ブロックウェイトでの握力トレーニングを行うことでデッドリフトに必要なピンチ力とチョークの付け具合を両方得られる訳です。

私の場合は、ブロックウェイトを行っているおかげでパワーリフティングの試合でデッドリフトのグリップアウトを経験したことがありませんし、今のところ外れそうな感覚もありません。(MAX250㎏程度ですが…)
デッドリフトのグリップに悩んでいるパワーリフターにもブロックウェイトでのトレーニングはお勧めとなります。

ちなみにブロックウェイトにはデメリットもあります。
以下に主なデメリットと解決案を書いておきます。

デメリット1:家の床で落としたら床が逝く。
ブロックウェイトを持ち上げようとして失敗すれば当然鉄の塊を床に落とすことになります。フローリングなんておとしたら一撃で凹みます。
家の中で使用する場合は十分な緩衝材やクッションを置いて落下対策をしましょう。
屋外の砂場や土の上で使用すれば思う存分落とせます。

デメリット2:錆びる
塗装を施してないブロックウェイトはチョークが馴染みやすく滑りにくいですが、塗装が無い分錆びます。
湿気の多い夏場だと屋内でも徐々に錆びますし、外に雨ざらしで置いておくと一瞬で錆びます。保管する時は湿気の少ない場所でなるべく保管しましょう。
尚、錆びた場合は滑りやすくなりますが、余分な錆びを洗い流せば大丈夫です。

デメリット3:チョークが舞う
部屋で使う場合、滑り止めで使用するチョーク(炭酸マグネシウム)が舞って部屋が汚れてしまいます。そのため片付けが少々面倒です。
最近だと舞いにくいタイプのチョークも販売されていますが、やはり舞いやすいタイプの方が滑り止めとしての効果は高いと個人的に感じます。
舞いにくいタイプで滑り止め効果が高い滑り止めがあれば教えて下さい。

デメリット4:細かい難易度設定がやりにくい
プレートの枚数で重さが調節できるバーベルと違って、細かく難易度を変更するのが難しいです。例えば45から50ポンドの間は結構な難易度の差があります。
たった5ポンドですが、かなり大きな難易度の差で、しかも重さだけではなく幅が広くなることによる難易度の増加もあります。
ただ、グリッパーと違い加重をすれば難易度調整出来ます。加重して難易度を埋めていきましょう。私は加重するためのホルダーを常に使用しています。

 

デメリット5:地味
これは見た目の問題ですね。
例えば握力計であれば誰でも握ったことがあるので、80kgや90kg、ましてや100㎏を実際にたたき出すのはインパクトがあります。
しかしブロックウェイトの場合は、そもそもブロックウェイトに触ったことすらない人がほとんどなので50ポンドを持ち上げたところで「へぇ」くらいにしか思われません。
これに関してはあくまで握力強化のためにやっているトレーニングなので「見た目は気にしない」でOKだと思います。分かる人にだけ分かれば良いのです。
またブロックウェイトはやり込めばやり込むほど持ち上げられるとカッコイイと思えるようになってきます。

 

以上、ブロックウェイトは実用的な握力を鍛える上で非常に有効なトレーニングですので鍛え方で迷っている人は是非行ってみて下さい。